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12 ◇赴任前夜

Penulis: 設樂理沙
last update Terakhir Diperbarui: 2025-12-27 01:22:56

 仕事をしながらの子育ては大変だろうけれど、今だって、激務の俺は

なかなか家事育児は手伝えていない。

 深夜帰宅することもあるから、考えようによっては、今の状況の

ほうが逆に大変だと思うのだが……。

 朝食に夕飯、洗濯等1人分なくなると、随分楽になるんじゃないのか?

 妻の仕事は義父の経営する事務所で、実家の義母も近くに居て

子供たちのことは今まで通り頼めるし。

 浮気のことを何やら言ってたけれど、本気でそんなこと気にしてるのか?

 自分で言うのもなんなんだが、据え膳も喰わない男なんだ。

 そこは心配しなくていいんだよって妻を説得したいところだが、

あまり言うと薮蛇になって逆に心配させてもいけないから、言わなかったの

だが……。

 どうして妻は積極的に賛成して応援してくれないのか、寂しい限りだ。

 案ずるより産むが易しというじゃないか。

 2~3年で帰ってこれたら出世して、年収だってものすごく増えるんだ。

 まぁ、そうは言っても猛烈に反対されないだけでも良しとしないと

いけないのかもしれないな。

 そんな風にあれこれ考えているうちに、赴任する前日を迎えていた。

          ◇ ◇ ◇ ◇

 気持ちが高ぶったせいか、久し振りに妻とSEXしたいと思い、

それとなく彼女を誘ってみた。

「いいわよ、今更。

 変な気を遣わないで。

 家族とはその気にならないんでしょ?」

と、どこかで聞いたような台詞で妻から軽くかわされてしまった。

 えっ?

 俺、由宇子にそんなこと言ったことあったかな?

 だけど、いつだったかもう覚えてはいないが、どこかでそんなことを

自分が言ったことがあったかもしれないと……言われてみて、初めて

思い出した。

 しかしその相手が妻でないことだけは間違いないと思う。

 まさか幾らなんでも直接本人に話すようなことではないからだ。

 いつ、どこで俺はそんな意味深な話題を持ち出していたのだろう。

 しばらく思い出そうとしたが、結局思い出すことはできなかった。

 確かにそのような考えを持ってはいるが、久し振りにその気になって、

愛する妻から素っ気なく断られたのにはかなり凹んだ。

 それと共に、俺が放った言葉として、妻がどこからか俺の気持ちを

聞いて知っていたとしたら……考えるだけで、どっと汗が吹き出る思いだった。

 この件で上がっていたテンションが、ぐっと下がった。

          ◇ ◇ ◇ ◇

 そんな中、俺は家族に見送られ赴任先へと向かった。

 

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